遠い日の谷川岳

海外の登山番組が時々テレビで放送されることがあり、映像がとても綺麗で思わず見入ってしまう。映し出されるガイドも登山者も持っているもの着ているものがシャレていてカッコいい。山小屋だって日本の男女相部屋雑魚寝式と違って個性的で清潔感がありいつか泊まりたいと思う。(もちろん日本にもこじゃれた山小屋もありますが)

最近はいつどの山へ行っても年配者が目立ち、多くがグループで行動している。日帰りハイキングであってもヤドカリのように大きな重そうなリュックを背負い、世間話をしながら元気で歩いている。気になるのは、その人たちが下山して汚れた登山靴のまま電車の中にどかどか乗り込んでくること。そんな山帰りのグループを見て若い人から登山がどう思われるのか心配しているのは私だけ?
でも、若い人の中におしゃれでセンスの良い登山ウェアを着た人が増えてきた。少しでも山が華やぐことは良いことだと思う。立ち居振舞いや所作にカッコよさがあると人は惹きつけらるるもの、格好良く山に登りたいものですね。
雪の残るマチガ沢第一見晴
登ってきた西黒尾根
    

6月27日梅雨の合間、水上に向かった。私の年代には谷川岳と言えば、天神平のスキーと一ノ倉沢の岩壁であり、登山事故の多い魔の山というイメージを持っている。今日は早く着いたのでマチガ沢と一ノ倉沢を見に行く。朝日があたって岩峰がキラキラ輝いていた。ロープウェイの運転時間にはまだだいぶあったので、マチガ沢の駐車場に車を止め、厳剛新道から登ることにした。雪も残っていて、雪渓でスキーを楽しむ人も結構いる。 このルートは雨になれば沢になるような道で、漬物石のような小石がごろごろあって滑りやすくかなり厳しい登山道である。登っては休み、また休んでは登り・・・を繰り返し、途中鎖場をよじ登り、ラクダのコルという場所で西黒尾根に合流する。天神尾根と違い、すべりやすい岩場もありやっと肩の小屋にたどり着いた。小屋近くのお花畑が初夏の日差しを受けて目にしみる。西には小屋の前から始まる稜線がにオジカ沢の頭に伸びている。風も無い穏やかな初夏の一日、のんびり山頂の景色を楽しんだ。下山は雪渓のまだ残る凛とした姿の俎グラを仰ぎみながら懐かしい思い出のある天神平スキー場へ降りてきた。若い日にそこで遊んだ記憶はもうすでに薄れてしまっていたが、名前の懐かしさに遠い日に遊んだ雪の世界を思い出す。

双耳峰トマの耳、オキの耳
オジカ沢の頭から俎グラ
天神平から見る谷川岳