妙義山、中間道を行く

北国から雪の便りがちらほら、富士山もいつの間にか雪化粧をしている。無積雪期中心の私の山行も今年はそろそろ終りが近づいた。そんな中、地元の山の会のハイキングに久しぶりに参加した。行先は妙義山上信越道を軽井沢に向かう時左手に見える怪獣の背中のようにゴツゴツした独特の形をしたあの山だ。11月8日(日)石神井公園を朝6時、車3台に分乗して出発し7時半過ぎに登山口近くの道の駅に到着、風も無く穏やかな晩秋の一日が始まる。
妙義神社   
山門の奥が登山道入り口

配られたルートマップを見ると山頂縦走やピークハントではなく、今日は中間道という一般ルートを紅葉を楽しみながらのハイキングである。歩き始めると結構な登りでクサリ場も出てきておよそ1時間で「大の字」という(「大」という文字の鉄骨でできた人工モニュメント=何の意味か解らず)場所にクサリをよじ登って到着。展望が開け眼下に下仁田の町を見下ろし、後ろには白雲山、天狗岳の岩の絶壁がそびえ立つ。急峻な岩肌は中国の古い時代の墨絵に出てくるようなたたずまいを見せている。山道のあちこちで木々は真紅に染まった最後の輝きを見せていた。美しく燃えるような赤だった。
中国の墨絵のような白雲山
紅葉
紅葉を行く

中間道、一般用の登山道とは言えかなりのアップダウンを繰り返す。穏やかな落ち葉の道があったと思えば、スリルのあるクサリ場を何度もよじ登り、長い梯子を登ったり、また奇岩、奇石を造った大自然の造形美に感銘したり・・・変化にとんだトレッキングコースである。途中の岩の下を通る桟道はまるで蜀の桟道や黒部の水平歩道や下の廊下を彷彿させる(少し大袈裟か)


桟道を行く

久しぶりにグループでの山行だった。以前は他の人たちのペースに合わせるのに必死で、見えているのは前を行く人の背中だけ、景色など楽しむ余裕もなく、体力を消耗し食べ物がのどを通らなかった時期もあった。いつの間にか自分の体力に合った山登りをしようと自由でマイペースな単独登山が主体になった。そのかわり行く山を調べ、磁石や地図読みを勉強し、気象についても本を読んだ。そして山の体力をつけるため、いつしかエレベーターやエスカレーターはほとんど使わなくなり歩くことを日常の訓練とした。そして一人で計画をつくり一人で山に登ることが多くなる。今まで家で食事など作ったことはなかったが、山頂で火を使って温めた食事をするようになり、食後のコーヒータイムにも余裕が出てくる。せめて登った証だけでも残したいと思って写真も撮るようになった。山中を一人歩けば危険も伴うだけに十分な準備とスキルアップは不可欠だと思う。
だけど今日の妙義山ハイキングのようにリーダーのもと無心になって仲間と一緒に眺望を楽しみながら歩くのもとても楽しい。山色々、目的色々、登る人いろいろ・・・。

クサリ場の登山者
紅葉の妙義山