霊峰富士と登山

ゴールデンウィークが始まった。快晴無風の春の一日、今日は以前から約束していた友人夫妻と竜ヶ岳に登る。竜ヶ岳は富士の麓青木ヶ原の樹海を抜けて富士五湖の一つ本栖湖畔のキャンプ場の中に登山口がある。奥多摩や中央線沿線の山からも富士山は良く見えるが、遮るものが無い至近距離の3776の全容がとても楽しみだ。登山道入り口の名簿提出箱に「富士吉田警察署 上九一色村」の文字が、そうかあの事件はこの近くだったのか・・・。
少し登ると東屋があり休憩にはちょうど良い。眼下に本栖湖や目に鮮やかな芝桜が満開の公園が見えてきた。春とはいえ日差しは強くさえぎるもののない登山道は暑い。東屋を過ぎるとジグザグにほぼ直登するようになる。
名簿提出箱
仲良く歩く友人夫妻
本栖湖
芝桜満開の公園
釈迦ヶ岳方向
東屋から山頂方向

そして、富士山、やっぱり美しい。振り返るたびにその圧倒的な存在感で迫ってくる富士山を見ると、暑くて苦しいはずの登りもあっという間に山頂まで導いてくれる。

富士をバックにKちゃん山頂へ
沼津のSさん夫妻と昼食

山頂は360度展望が開けていて南アルプス八ヶ岳まで見渡せる。1500メートル近い竜ヶ岳の山頂からでも、富士山はやっぱり仰ぎ見る大きさだ。むしろ下から見るより大きく見える。そして何よりも美しく端正な姿に言葉を失ってしまう。
しかし、年々登山者の数が増え、行列を為して登る様子が報道され、そのマナーが問題視される。ごみやトイレの問題も解決していないと聞く。登山デビューが富士山と言う人もいる。スニーカーで登ってくる人もいるという。歩き方を知らないと落石の引き金にもなりかねないしとても危険であるがそれを教える人がいない。ブームとは恐ろしいものである。
だから、今、富士山には登りたいとは思わない。こうして少し離れて「山」として眺めているほうが幸せである。
頂上の案内版
南アルプス
富士山